2018年7月2日
コラム
【遠農物語とそのつづき】遠農がつないだ農家への道
遠農物語とそのつづき
これまで4年間にわたり、遠別農業高校<遠農>で多くの遠農生を撮影し、入学そして卒業までを見送ってきました。卒業生は今頃どうしているのだろう。元気に暮らしているのだろうか、大丈夫かな。長く遠農生を見ていると、そんな親心に近い気持ちが湧いてきます。遠農を卒業してひとりの物語を紡ぎ始めた卒業生たちにスポットをあてたシリーズをはじめます。
今回は遠農を卒業して地元である遠別町の農業生産法人<有限会社緑進>に就職した磯部颯さんを訪ねました。
農業への憧れを持った小学生時代
磯部さんの実家は当時農業を営んでいました。幼少時代から農業に触れる機会が多く、農業の仕事に興味を持ったのは必然的。しかしながら中学生になった時、将来継ぐことも考えていた実家が離農してしまい、農家への道は一時暗雲が立ち込めます。それでも農業への想いは変わらないまま、地元の遠別農業高校<遠農>に進学を決めました。自分が思い描いていた農業の勉強ができる高校生活は想像していた通り、土にふれる機会が多くとても楽しかったと語る磯部さん。特にトラクターなどの農業機械を操作することが好きだったそう。ずっと入りたかった吹奏楽部にはじめて入ったのも遠農で、『結局楽譜は読めるようになれなかったんですけどね。』と笑顔で語ります。
高校時代に吹奏楽部として活動をしている磯部さん
そんな遠農での高校生活もあっという間にすぎて行き、将来のこと、仕事のこと、そんなことをモヤモヤと考え始めた高校2年生の頃にインターンシップで出会ったのが有限会社緑進でした。
有限会社緑進の社長であり、遠別農業高校の卒業生でもある小森さん。そんな小森さんのもとで行ったインターンシップは、もう一度農家の道へと進めるという希望が湧いて、とても楽しい経験でした、そう語る磯部さんとその様子を見つめる小森さん。
地域の農業後継者が不足していく中で農家になりたい、という気持ちは貴重な志。農業に携わる仕事へ向かう若者を応援して行きたいという気持ちで遠農生のインターンシップを快く引き受けているほか、週末のアルバイトとして遠農生を受け入れるなどこれまでも遠農生をサポートしてくれている地域の貴重な存在です。
できることを増やしていきたい
現在の仕事は機械を使わない移植作業が中心の磯部さん。作業の中で、高校時代に学んだ知識を思い出しながら、先輩たちとともに仕事に励んでいます。『とにかく今はできる作業を増やして、はやく大好きなトラクターに乗りたい。そしていつか自分の畑を持って農家として自立していきたい』
そういいながら、トラクターを綺麗に洗浄する磯部さんと、自らお手本を見せるように作業をする小森さん。
一度は諦めかけた農家への道がつながり希望を見出した高校時代。地域の若者を応援する遠農卒業生と、遠別農業高校でのインターンシップがつないだ磯部さんの物語はまだまだはじまったばかりです。
取材協力/有限会社緑進
写真・文/NPO法人えんおこ 原田
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